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DAFT PUNK打ち上げ後日談 [フランス音楽事情(MAGMA、ZAO等を中心に)]

 久々の更新である。とある偉い人(くれぐれも名前を明かしてはいけないと言われている)から特別任務を拝命して、この三ヶ月それに掛り切りだったのだ。

 さて、昨年の12月、友人のジャン=フィリップに連れられてDaft Punk日本公演の打ち上げに行ってきたという話は既にはした(http://kuroki.blog.so-net.ne.jp/2008-01-02)。その後、1月の終わりと3月の中旬にも、ジャン=フィリップは日本に来ていた。仕事とはいえ、よっぽど日本が好きと見える。次は6月になるらしい。

 で、いつものように飲んだくれていて、ふと、例の打ち上げの時の話になった。確か、ジャン=フィリップにギ・マニュエルを紹介されて、他愛もないことを話していた時のことだったと思う。とある日本人ミュージシャンがまったくもって流暢な英語でギ・マニュエルに話しかけてきた。まぁ、今日のライヴは素晴らしかった、とかそういう話である。ここまでは微笑ましい話ではあろう。ところが、そのミュージシャン氏は日本人聴衆の悪口を語り出したのだ。日本の聴衆はとても質が悪くて冷めているのに、今日の聴衆はすごく盛り上がった、これはあなた方の演奏が素晴らしかったからだ、と。僕は少し意地悪になり、無理矢理会話に割り込んで、ギ・マニュエルにはフランス語で、ミュージシャン氏には日本語で(意地でも英語は使わん!)こうまくしたてた。

「MAGMAというフランスのバンドが来たとき、僕は通訳をしていたのだけれど、聴衆の反応が大変素晴らしく、彼らは、日本のファンは素晴らしいと感銘を受けていましたよ。聴衆は素晴らしい演奏をすれば盛り上がるし、そうでなければ反応しない、って、当たり前のことですよね。」

 ジャン=フィリップによればギ・マニュエルはそのミュージシャン氏の日本批判を聞いて困惑していたそうだ。何故ならば、彼らは日本が大好きだからである。だから、僕が介入して日本批判の話題を切ったのでギ・マニュエルはほっとしたのだ、とジャン=フィリップは解説する。

 あのね、と僕はジャン=フィリップに答えてみる。

「外国語が堪能な学者とかアーティストの中にはね、安易にそんな日本批判を口走ってしまう人が割合いるもんなんだよ。気持ちは分からないでもないんだけどさ、でも、そういう時、僕は少々意地悪になるんだ。」

すると、ジャン=フィリップは満足げにこう切り返す。

「そうだよ、あそこで日本の聴衆を擁護したお前は正しいよ。そういうお前をオレは誇りに思う。」

なぁ、おい、ジャン=フィリップ、日本人のオレが日本を弁護して、フランス人のお前に誇りに思われるなんて、少々、不思議な気分だよ。でもさ、そんなお前を十分オレも誇りに思うよ。
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yokonozo

ふぅむ。
ダフト・パンクの打ち上げでそんなことが…

日本に来てくれるミュージシャンは、だいたいが日本ダイスキーですね。
ダイスキーな日本の人からダイスキーな日本の批判を聞かされたら、
そりゃあ戸惑うでしょう。
だいたいリアクションに困りますし。
聴衆を盛り上げられないのは、歌手の問題であって、
万国共通の話だと思います。

しかし…ウラヤマシス、ですな。
by yokonozo (2008-04-03 20:02) 

黒木

ジャン=フィリップ、韓国や中国、はたまた南米には目もくれず、ひたすら日本が好きなようです。

Niceありがとう御座います。
by 黒木 (2008-04-03 21:01) 

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