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南仏ルーマニア事情2 [そういえば僕は南仏に住んでいたんだっけ]

 我が愛すべき悪友、ポルトガル人のチエリのうちでご飯を食べていた時のことである。リオネルというフランス人が言うのだ、「スペイン語やイタリア語だったら1ヶ月、ポルトガル語だったら2ヶ月集中して勉強すれば話せるようになるよ」、と。フランス語を含め、ロマンス諸語と呼ばれるこれらの言葉は皆ラテン語から派生しているのだから、彼らにとって習得しやすいというのも頷ける話である。対して、実はルーマニア語もロマンス諸語に含まれるという事実は、意外に日本人にとって盲点になっているかのかも知れない。
 ある日、大学でちょっとした食事会があって、カーラという別のポルトガル人と話していた時のこと、何故だかルーマニアの話になった。私と違って社交的で顔の広い彼女は、ルーマニア人の同僚とも友達だと言う。で、その彼というのが凄まじく優秀なのだそうだ。
 ある日のこと、ある本を探していた彼に、ちょうどそれを持っていた彼女は心良く貸してあげたのだと言う。数日後、「とても面白かったよ、ありがとう」と言って、彼がその本を返してきた時、フランス語もスペイン語もポルトガル語も自由に操るカーラとしては、ちょっと対抗意識が芽生えたらしく、「ちょっとあなた、この本、ポルトガル語で書かれているのよ、内容、分かったの?」と尋ねたのだそうだ。すると「だいたいならね」と平然と言ってのける。彼女は少し悔しいので「じゃぁ、このページには何が書いてあるの?」と尋問を開始、ところが彼はどのページに関しても、すらすらと答えるのだと言う。正直感心し、「あなた、すごいわね、何で?」と聞いたら、「だって僕ルーマニア人だもん。」と返ってきたそうだ。カーラによると、彼はロマンス諸語であれば、どれも雑作なく読みこなせるのだと言う。
 早速面白くなって、是非紹介しろと言うと、「滞在許可証が切れて、もう国に帰っちゃった。」と言うではないか。そういえば、ルーマニアはまだEUに加盟してなかったことを思い出す。一方、彼女はしっかりフランスに居着くつもりらしいので、「良いね」と言うと、「だって、ポルトガルはEUに加盟しているもの」と答える。そうか、彼女は滞在許可証の更新とかしなくて良いんだ!と思うと正直うらやましくなった。


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コメント 2

katsura

久しぶりの更新ですね、ぱちぱち。
ドラキュラおたくのわたしとしては、ルーマニア=ローメニアというのは知識として知っていましたが、ルーマニア人ならロマンス語の習得がカンタンとは知りませんでした、ふむふむ。

また、RSSにご登録、ありがとうございます。

ソット君のお話、論文、がんばってくださいね。
by katsura (2006-09-18 09:51) 

黒木

ソットの話は陰惨な方向に向かってまっしぐらです。

有難う御座いました。
by 黒木 (2006-09-18 18:39) 

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