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久々の文学論

最近、いろいろな仕事の依頼(決して儲かるわけではない、というか逆に持ち出しの仕事も多い)があるが、その中でも珍しい本業(の筈)の文学の領域の仕事である。 

http://www.press.tokai.ac.jp/webtokai/sisyphus_09.pdf 

ご笑覧あれ

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みさ

大変興味深くブログを拝見しました。
某関西の大学で仏文科にいます。
院に行こうか本当に悩んでいます。
参考にさせていただきますね。
by みさ (2010-10-08 13:37) 

黒木

返信遅れました。申し訳ない。更新もさぼっています。

関西だと神戸大学の中畑氏がマラルメ研究の盟友です。

本来ならば、どんどん院に来て欲しいのですが、今の状況では決して勧められません。

今、私は大学国際ランキング批判の論文を書いています。このランキングのために文学系は多大なる損害を被ったのです。この論文を梃子に何とかこの国の大学行政を変えたいと思っています。

不幸になっても構わないから好きなことがしたい、というほどの情熱がおありなら、院に進学するのもやむなしと思います。それでは。

by 黒木 (2010-10-22 20:02) 

みさ

お返事ありがとうございます!
私のような面識のない他大学の生徒にもお返事いただき
本当に嬉しいです。

現在私の大学では、色々事情があり、
なかなか周りに相談できる人がいなくて、
(そもそも院を考えている子もあまりいないですし、)
ちょっと孤独でした。

不幸になっても構わないから好きなことがしたい、という情熱ですか。
情熱はありますが、正直、不幸にはなりたくないです・・・。
今、本当に悩んでいて、家族には黒木先生と同じようなことを言われました!
学問の道に進もうということは、相当の覚悟で臨みなさい!と。
でも、院生やTAの先輩、非常勤講師の方々に相談すると、

『女の子なんだからなんとかなるし、若くて可愛いうちに将来の教授候補
になるような素敵な旦那さん見つけておけば大丈夫だよ』とか、

『どうせ結婚すれば衣食住は確保されるからいいじゃん』とか、

そんなことを言われ、それを考えると、
“日本における女性の仕事について”も深く考えるようになり、
なんだか悶々としちゃっています。
黒木先生はどうお考えでしょうか??

私としては、院に行き、博論も書き、そのまま大学教員になり、
ラブレーかコレットの研究をしつつ、大学の助手?のようなポストでも
あればいいかなぁと考えていますが、それは甘いでしょうか?
ちなみにうちの大学では助手のようなポストはもうないのですが、
上智はどうですか?

黒木先生はかなりの数の論文を仕上げていらして、
本当に尊敬いたします。
私の学校で先生と同じ歳の方々は、もう研究や発表はせずに
どうせ教授にはなれないし・・・と諦めて、
教員だけの活動に徹している方が非常に多くいらっしゃいます。
そんな中、研究を続け、発表し続ける、そんな覚悟がないと
この世界はだめなんだろうなぁと思いました。
果たして私にその覚悟があるかどうか。

新しい論文も楽しみにしております!!

色々質問してしまいすみません。
by みさ (2010-10-23 22:36) 

黒木

>『女の子なんだからなんとかなるし、若くて可愛いうちに将来の教授
>候補になるような素敵な旦那さん見つけておけば大丈夫だよ』とか、
>『どうせ結婚すれば衣食住は確保されるからいいじゃん』

こういう考えなら院進学は諦めた方がよいです。

つまり、あなたは今現在研究者として「将来の教授候補」にあたる人間に対して敗北宣言をしているわけです。

だいだい研究なんて簡単に優劣がついたりランキング出来たりするものではなく、誰にけなされようが、馬鹿にされようが、ひたすら自分が興味を持ったテーマを追い続けるしかないのです。その研究が本当に価値のあるものなら、けなすものがいる一方で逆に一緒にやろうというものが現れます。その研究の質に男も女もない筈です。男には敵わないと思っているなら、悪いことは言わない、やめなさい。中途半端な気持ちでやられては周りに迷惑です。

>大学の助手?のようなポストでもあればいいかなぁ

甘いです。助手のポストを貰えるような人は将来の教授候補です。

その将来の教授候補の人でさえも、今のままの大学行政が続くとどうなるか分かりません。文系だけでなく、理系でさえも、現在多くの研究機関が資金難に喘いでいます。文学部の人間の情けないところは、そのような予算削減の攻撃に対して有効な防御策を設けられていないところです。

というわけで、僕は今大学評価について調べています。

なお、上智には助手制度はなく、非常勤講師で食いつながなくてはなりません。で、その非常勤講師のポストも満足にないんです。僕はフランスで博士号を取って、今の仕事見つけるまでが大変でした。受験英語を教えて喰ってましたから。後は家庭教師とか。

ラブレー、良いですね。

次に出す論文は、ごりごりの音楽理論に関する論文です。マラルメの論文では東大の権威を批判しましたが、この論文では芸大出身の音楽学者を痛烈に批判しています。

その次に出すのは、フランス革命期における「祖国」のアレゴリーについての論文です。ロベスピエールなどを参照するつもりです。

by 黒木 (2010-10-24 18:26) 

みさ

お返事ありがとうございます!

>『女の子なんだからなんとかなるし
>『どうせ結婚すれば

というのは私がおもっているわけではないのですが、
なんだか最近、院生や非常勤講師の方々の間でそのような考えになる
流れが出来てしまっているようで、とても残念に感じているのです。

私も黒木先生と同じく、
自分の興味のあることを、とことん追求していくのに
男も女も関係ない!とおもっています!

でも、実際は・・・↑のようなことを言われてしまったりして、
本当に悔しい限りだし、また、そのような風潮になっている中に
飛び込んでいくのがとても怖くなっているのも事実です。

教員をしながら研究をし続けていく生活はどうしても過酷で、
それにまだ何だかんだいっても日本では
家族を養っていくのは男性の方、という考えが多いので、
『どうせみさちゃんも結婚すれば・・・』のようなことに
なっていくのだと思います。

私は男性に敵わないとは思っていませんが、
どうしても女性の場合、結婚、(特に)出産、色々あると思うので、
どんな人生を歩んでいきたいか、もう一度ゆっくり考えて院行きを
決めたいと思います!

黒木先生のお返事を読んでおりますと、
黒木先生をはじめ、上智にはまだまだやる気のある
素敵な講師の方々がいらっしゃるようで、
私も院に行くなら東京に出たくなってきました!

ラブレーの研究も論文を読む限り、
いいな、と思えるものを書いていらっしゃるのは東京の大学の方々ですし。
やっぱりまだまだ東京は活気がありますね。

私の周りは
『どうせ頑張っても教授になれないから、もう論文は書かないし、
学会の会費ももう払いたくない』って講師が大勢います。

助手のポストはもうどこもないのですね。
うちの大学もないのですが、今、教授から、もし院に行くのなら
今後は雑用係件秘書的なポジションはあるからと言われています。

あとは、結構フランス語は若い女性が好むらしく、
大学ではなく、個人で教えたほうがよっぽど生徒数は増えると言う人が
います。いろいろ考えて道を決めたいと思います。

ありがとうございました!!

それにしても、本当に黒木先生には脱帽です。
まだまだ書きたい論文がたくさんあるのですね。
きっとまわりに良い刺激をたくさん与えていらっしゃるのでしょうね!

次の論文も楽しみにしております。
それから、時々このブログも更新していただけたら嬉しいです!!
by みさ (2010-10-25 21:47) 

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