Daft Punkのライブに行ったよ [フランス音楽事情(MAGMA、ZAO等を中心に)]
昨年の暮れ、Daft Punkのライブに行った。フランスでは(日本でも)かなり有名らしいが、僕は殆ど知らなかった。いきなりジャン=フィリップから電話がかかってきて「来週日本に行くから、そしてDaft Punkのライブに行くから」と言われたのである。何でも、彼が事務局長をやっている経済研究センターのHP(http://www.centrecournot.org/)でウェブマスターを務めるジェラルドがDaft Punkのギ=マニュエルと親友なのだそうだ。なお、僕はこのHPの日本語訳を担当しており、当然ジェラルドとも仕事仲間である。今回ジェラルドがジャン=フィリップについて来日したのは僕との打ち合わせのためというのもなくはないらしいが、明らかにDaft Punkの来日に合わせたものと思われる。
というわけで、NHKのフランス語講座でも有名なパトリスなんかと一緒にDaft Punkのライブに行ってきた。持つべきものは友人である。ライブも招待だった上に、終演後楽屋で一杯やり、ギ=マニュエルに紹介され、更には打ち上げにも参加してきた。
しかし、幕張を2日間満員にするフランス人アーティストの来日公演なのに打ち上げ会場にフランス語を話せる日本人が僕一人というのも何だかなぁ、と思う。僕がフランス語を喋っていると「何だ、フランス語を話せるのか!」と驚かれる。アメリカ人スタッフはともかくフランス人スタッフまで商売は英語でやると思っているのだから、フランス語教育が衰退するはずである。
その後、そのことを日本人の友人に話したところ「何でDaft Punkのプロモーションヴィデオに松本零士が起用されているのかしら?スタッフに日本人でもいるのかしらねぇ?」と聞いてきたので、早速翌日ジェラルドに聞いてみた。すると「ファンなんだよ。それだけさ。」と返ってきた。彼らが子供の頃テレビで『キャプテン・ハーロック』(フランスでは「アルバトール」という)をやっていて、彼らはそれに熱狂していたのだと言う。で、有名になってからもその敬愛の念は変わらず是非にと仕事を依頼したのだそうだ。
東芝EMIの公式サイトには「世界最先端のテクノロジーとサウンドをマウントした」と書いてはあるが、実は、彼らがイメージしているのはハイテクではなくローテクなのだそうだ。そういえば、舞台装置のピラミッドには映像が写し出されるでも無く、ただ電光装飾が文字と直線を点滅させるのみであった。ジェラルドはと言えば、今年の4月に公開予定のローランド・エメリッヒ監督の『10000 BC』にグラフィックデザイナーとして参加しているのだそうで、そういう人が友だちにいる以上Daft Punkがハイテクを使おうと思えば容易いだろう。しかし彼らは子供時代に流行った『キャプテン・ハーロック』が想起させるような機械文明のイメージを大事にしているのだと言う。
ジェラルドの話によれば、ピラミッドの下にはサンプリング機材が山と積まれてあり、ミュージシャンとスタッフはインカムを装着し、コミュニケーションを取り合いながら、舞台、照明と音楽が連動しステージを作り上げているのだと言う。
音楽そのものとしてより、ショーとして面白い公演であった。
招待だったこともさることながら、いろいろとした舞台裏事情を知ることが出来たのが何より興味深い。持つべきものは友人である。
Daft Punkはクラバー御用達ですね。
数年前は、ソニーのCMにも使われていましたし。
あのPVのウラ事情は、割と有名な話なんですよー。
by yokonozo (2008-01-02 22:14)
>あのPVのウラ事情は、割と有名な話なんですよー。
へぇ、そうなんですか。クラバー御用達の音楽は全くと言って良いほど知らないんですよ。
「こういう音楽ってさ、CD流して舞台の上で踊っているだけだったりして」と言ったらジェラルドに「リアルタイムで演奏しているんだよ!」と言われてしまいました。ファンが聞いたら怒られそうですね。
by 黒木 (2008-01-02 23:24)
xml_xslさん、
ありがとう御座いました
by 黒木 (2008-01-14 08:01)
すばらしいコネクションをお持ちですね。
D.PがMoogを使っているのは、驚きました!
まさにレトロヒューチャーですね.^^./
by Gm_xXtraZz_Ip00921 (2009-12-31 00:00)
Gm_xXtraZz_Ip00921さん、
書き込みありがとう御座いました
by 黒木 (2009-12-31 17:24)